世界44カ国を対象に起業家精神を徹底調査
なんと日本の起業家精神は最下位レベル!
若者も起業への関心は低いが、「好きなことをしたい」気持ちが強いことが顕著に!
起業経験のある若者は、人生の満足度がより高く、楽しく働いていることが判明!
日本アムウェイ合同会社(本社:東京渋谷区宇田川町7-1社長:ピーター・ストライダム)は、アムウェイ本社が世界44カ国、約5万人を対象に実施した「アムウェイ・グローバル起業家精神調査レポート」(Amway Global Entrepreneurship Report)の最新の結果を発表します。このたびの調査では、日本人の起業家精神は世界44カ国中、42位という結果となりました。
これからの日本は、少子高齢化、AI技術革新、終身雇用制度の崩壊進行などによる社会の大きなシフトチェンジにより、人の働き方も大きく変わっていくことが予想されます。一つの企業に「就社」するという意識は希薄になっていき、副業・起業が当たり前のこととなる時代は、もうそこまで来ています。このような時代にしっかり備えるため、特にこれからの日本を担う若者は、「起業」という働き方の理解を深めていかなくてはなりません。
そこで今回、日本の状況を更に分析すべく、18~29歳の男女計800名を対象に、若者の起業家精神における追加調査を実施いたしました。その結果、多くの若者は起業への関心が低い状態である反面、「自分が好きなことをしたい」という気持ちは強いことが判明しました。また起業経験がある若者は、人生の満足度がより高く、楽しく働いている状況である一方、起業経験のない若者は、人生の満足度が低く、楽しんで働いていないことが明らかになりました。
起業経験のない若者は、起業に対してネガティブなイメージが強い傾向があることが分かりました。しかし、若者の実態として起業経験者の内、54%は半年以内で準備を行い、58.5%は1年以内で軌道に乗り、80%の人が起業すると生活レベルや人生の満足度が高まると回答しています。
弊社では、このたびの結果を踏まえ、起業は人生の満足度の向上に繋がる可能性がある働き方の1つとして世間での認知・理解を促進させ、若者の起業家精神の向上に貢献してまいります。
1)若者が大事にしているもの「好きなことをしたい」
2)若者は幸せを感じているか?楽しく働いているか?
3)若者の起業へのイメージは?
4)若者の起業における実態
■早稲田大学 ビジネススクール 東出浩教教授による概説
今回の調査レポートから読み取れる日本の問題点
今回の日本の若者800人を対象にした調査では、起業経験がある方の90%弱、起業の経験がない方でも70%弱の方が、起業に対して良いイメージを持っています。一方、世界に目を向けると、日本は44カ国中の42位と最下位グループの1カ国です。アジア諸国では日本は最下位であり、その25という指数は、アジアのトップであるベトナムの84という指数に比べて3分の1以下である点を忘れることはできません。
継続調査である「アムウェイ・グローバル起業家精神調査レポート」のこれまでの結果を振り返れば、日本の大卒者の起業願望の高低は、大卒就職率と強い相関を示す傾向にあります。つまり、大半の大卒者は、就職先を見つけることができるならば、とりあえずは従業員として働き始めることを選び、起業するというリスクを積極的に取ることはしません。一方で、これまでの調査結果は、就職をした方でも、多くが可能であればクリエイティブな仕事をしたいと願っていることも示していますので、当面の課題として、これらの方々の創造意欲、挑戦意欲を潰さず、将来の独立の芽を摘まない企業文化の醸成が強く求められています。
日本における追加調査結果を受けて:「期待と課題」
回答者の90%超が「自分が好きなことをしたい」という価値観に賛同していることは、良い意味での驚きです。お金や権威などの外から与えられる動機ではなく、自己の内面から湧き出る強い動機付けに従い何かに挑戦すること、それが人生100年時代においてもっとも重要なこととなるでしょう。そして、挑戦の結果は、良いものであれ悪いものであれ真摯に振り返り、それを次の挑戦につなげていくことが、個人や組織の創造性やコミュニケーション能力の向上、また結果としての高い満足や業績につながることが多くの研究から明らかになっています。ただし、「失敗を許容する」企業や社会の文化がセットとなることが、結果を出していくための条件である点は肝に命じておきたいところです。
追加調査の回答者のうちすでに起業経験のある方々の多くは、半年以内という短い準備期間を経て起業し、一年以内に事業を軌道に乗せることができている人が多いようです。ここでの典型的な起業家像は、東京をはじめとした都市部で、サービス中心の、すでにある程度ビジネスモデルが固まっている領域を選び事業を起こしている。資金は自己資金および家族など身近な人からの支援が中心で、早めの現金回収が可能なビジネスの仕組みになっている、というものではないでしょうか。
このようなタイプの起業の数が増えていくことは、「起業家的な社会」を作り出すための非常に大切な一歩です。しかし、このような起業の多くは、さほど急成長せず、雇用創出力にも限界がある傾向を示すことも事実です。今後は、より多くの起業家が、身近な起業経験を積みながらも、より大きな起業機会を捉え、事業を成長させるスキルやマインドセットを学ぶ事、そして「繰り返し」異なった分野・エリアで起業をすることも視野に入れ、自己実現を目指すことが求められます。
最後に、起業経験者の60%超の方々が「自由な時間が増えた」と回答しています。つまり、これからの我々にとって最も大切な資産である「時間」を、自分でコントロールする場を作り出していることになります。この発見には注目をし続けていきたいと考えています。
■早稲田大学 ビジネススクール 東出浩教教授 プロフィール
慶應義塾大学経済学部卒業。鹿島建設に入社し、建設 JV のマネジメント・欧州での不動産投資の実務に従事。その後ロンドン大学インペリアルカレッジ修士課程修了(MBA)。2000年に同カレッジよりEntrepreneurshipを専攻した日本人初のPh.D.を授与される。起業、創造プロセス、ビジネス倫理と哲学等が現在の主たる研究対象。ベンチャー学会理事、各種公的委員会、東京商工会議所産業人材育成委員会ダイバーシティ推進専門委員会座長を務めるなど、学内外で幅広く活動している。著書「ベンチャー企業の経営と支援 改訂版」(共著)日本経済新聞社 2000年 他多数。
■アムウェイ・グローバル起業家精神調査レポートについて
- 調査目的:2008年、人々の起業家精神の考え方を理解するため、起業に対する意識や各国の環境を質的に測定する広範囲の調査「アムウェイ起業家精神レポート」を開始し、2018年には世界44カ国、男女計48,998名を対象に調査を実施しました。本調査の目的は、起業家精神をめぐる態度、望みおよび不安を理解することで、起業家の機運を高め、支援することにあります。
- 調査方法:対面・電話調査
- 調査期間:2018年4月~6月
- 調査対象:44カ国、14~99歳(各国人口の代表的なターゲット年齢集団)の男女48,998人
中国、インド、日本、韓国、マレーシア、台湾、タイ、ベトナム、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、英国、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、ブラジル、コロンビアおよびメキシコ、アメリカ、カナダ
※ノルウェー、ロシア、南アフリカ、スイス、トルコおよびウクライナは一部地域 - 調査機関:GfK(本社:ドイツ、ニュルンベルク)
「アムウェイ・グローバル起業家精神調査レポート2018」詳細:
http://www.amway.co.jp/news/detail/pdf/amway_report_2018.pdf
■日本アムウェイ、日本の若者の起業家精神調査レポートについて
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2018年4月7日〜4月10日
- 調査対象:18-29歳の男女800人(日本)
- 調査機関:株式会社シグナル
「日本アムウェイ・日本の若者の起業家精神調査レポート2018」の詳細:
http://www.amway.co.jp/news/detail/pdf/amwayjapan_report_2018.pdf
■アムウェイについて
アムウェイは売上世界No.1のダイレクトセリング企業※1です。ミシガン州エイダに本社を置き、世界100以上の国と地域で事業を展開しています。企業ビジョン「Helping People Live Better Lives」のもと、良き企業市民として人々がより良い暮らしを実現するためのパートナーになることを目指し、日常的に使用する様々な製品を提供しています。売上上位ブランドには、栄養補給食品の「ニュートリライトTM」(売上高世界No.1※2)、スキンケアやメイクアップ製品の「アーティストリーTM」(売上高世界TOP10※3)、浄水器の「eSpringTM」(売上高世界No.1※4)などがあり、日本では200以上の製品を展開しています。また、社会貢献活動の一環として、東日本大震災の被災地復興支援プロジェクト「Remember HOPE」に力を入れており、活動の中心となるコミュニティハウスの建設支援を通じて、地域の人々が集う場と機会の提供を行っています。
- ※1 2018年 Direct Selling News誌のGlobal100ランキングに基づく
- ※2 ユーロモニターインターナショナル調べ:ビタミンと栄養補給食品カテゴリー:世界市場:小売金額2016年
- ※3 ユーロモニターインターナショナル ビューティー&パーソナルケア2018年版 高級スキンケア分野の定義による(2017年UBN小売売上金額ベース)
- ※4 2016年グローバルセールスに関するヴェリファイマーケット社調査に基づく